LEONkei

1984のLEONkeiのレビュー・感想・評価

1984(1956年製作の映画)
3.5
グローバリズムの行先は全体主義に行き着く事は分かっている。

その全体主義はグローバリズムとナショナリズムの対立構造をも崩し、情報だけが価値を生み全てを支配する世界は2021年も同じ。

国境のない世界や行き過ぎたリベラリズムに現を抜かしていると、人間の感情を吸い取られ気がついた時には自由を失っている。



●WAR IS PEACE(戦争は平和である)
●FREEDOM IS SLAVERY(自由は屈従である)
●IGNORANCE IS STRENGTH(無知は力である)

一党独裁〈オセアニア国家〉の過激なスローガンが至る所に貼りめぐる恐怖政治は、〈少数独裁制集産主義〉で蝕まれた権力者ビッグブラザーの手によって支配される。


作家〝ジョージ・オーウェル〟が1948年に書き上げた原作『1984』で36年後の世界を描き、全体主義国家による時の権力者が国民から自由と人権を奪い不条理な世界を描く近未来ディストピア映画の傑作。

人類は戦争を繰り返し1984年の世界の構図はオセアニア国家・ユーラシア国家・イースタシア国家と3つの国家に分断し成り立っていた。

正に今の世界を支配する米国・中国・欧州連合と言う三大勢力と構図は変わりない。

●法と暴力で抑えつける愛情省
●戦争を永久に続けるための平和省
●人々の生活水準を低く保つ贅沢省
●過去の歴史を改ざんする真理省

こんな省庁に縛られた国民は悲劇でしかないが、物語として省の役割設定が面白く何とも言っても結末(アメリカ公開版は結末が違うらしいがこのイギリス版の方が断然良い)がいい。



物語の中の時代1984年に〝マイケル・ラドフォード〟によってリメイクされているが、多分映画より原作の方が数倍面白そうな気がする..★,
LEONkei

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