ユースケ

ゴジラのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ(1984年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

【メカゴジラの逆襲】から9年ぶりに製作されたゴジラ誕生30周年記念東宝映画作品であり昭和最後のゴジラとなった【ゴジラ】シリーズ第16弾(vsシリーズ第1弾)は、【ゴジラ】以降の【ゴジラ】シリーズ(昭和ゴジラシリーズ)を無かった事にし、ゴジラを子供のアイドルから恐怖の対象に戻し、原点回帰を目指した意欲作。
だからサイボット・ゴジラがカクカクしているとか、着ぐるみ・ゴジラの目の焦点が合っていないとか、ゴジラの演技より沢口靖子の演技の方が酷いとか、ビルからの脱出するのに時間を掛け過ぎとか、言わ・な・い・の。てか言わせな〜い。

みどころは、【ゴジラ】のトリロバイトにオマージュを捧げ、【パシフィック・リム】の寄生虫や【クローバーフィールド/HAKAISHA】の寄生生物に影響を与えた巨大フナムシ=ショッキラス。画面に映る度に無駄に壮大な音楽が流れる制式名称:防衛庁陸上自衛隊陸上幕僚監部付実験航空隊首都防衛隊首都防衛移動要塞T-1号Main Sky Battle Tank Super X=スーパーX。生頼範義先生による盛り盛りのポスターとは逆にゴジラが小さく見えるほど気合の入った新宿副都心のセット(製作期間2ヶ月、製作費1億5千万円)。そして、ゴジラ抹殺を口実に日本国内で核兵器の実験を行いたい冷戦中のソ連とアメリカに板挟みにされながらも、非核三原則を順守し、日本国内で核兵器は使わせないと答え、「NO」と言える強い日本を体現した小林桂樹が演じる内閣総理大臣の三田村清輝。「あんたらの国にゴジラが出たら、あんたらの首都でためらわずに核兵器を使う勇気あんのか?」と啖呵を切ってアメリカとソ連の首脳を黙らせたエピソードがたまりません。
エンドクレジットで流れるザ・スターシスターズの【ゴジラ 愛のテーマ】も味わい深い。Goodbye now Godzilla♪Goodbye now Godzilla♪

【ゴジラ対メカゴジラ】から10年ぶりの【ゴジラ】シリーズ出演となった南博士を演じた初老の小泉博にはテンアゲだったのですが、井浜原発職員を演じた石坂浩二や神父を演じたかまやつひろしのカメオ出演は一瞬なのに、浮浪者を演じた武田鉄矢のカメオ出演はやたらと長くてゲンナリ。金八引っ込め。

とりあえず、放射能を食べる設定がギャレゴジに、放射熱線で穴の開いた京王プラザビルを挟んでのスーパーXとゴジラのバトルがエメゴジに活かされたので良しとしましょう。