コンドームを知らない8歳の男の子が、大人より鋭いことを言う映画
実際どんな大人たちよりヤンヤンが一番人生を達観しているように見えました
オープニングは結婚式で始まり、エピローグは葬式で終わります
ヤンヤンの家族は台北で暮らしていて、主人のNJは友人とコンピュータ関係の会社を経営しています
豪華なマンションや調度品から暮らしぶりはかなり裕福なことが伺えます
ヤンヤンの家族や親戚や友人たちが抱える悲喜こもごも
それが誇張されることもなく、静かに淡々と物語は流れていきます
以下、ヤンヤンの名言集です
ヤンヤンが結婚式の風船を膨らませて学校で遊んでいるのを、誰かが、コンドームを持ってきたと先生にチクります
それを聞いて先生は激怒します
するとヤンヤンは
「誰がそんなこと言ったんですか?先生は自分の目で見たんですか!?」
意識不明になって倒れたおばあちゃんに、医師は、なるべく家族で話しかけるようにアドバイスします
みんなが次々に話しかける中、ヤンヤンは拒否します
「眠ってる人に話しかけて何の意味があるの?」
でもそれはちゃんと理由があって、ラストの作文のシーンでそれは詳らかになります
クルマの中でパパに
「お互い、何が見えてるか分からないとしたら、どうやってそれを教え合うの?」
「真実の半分だけってあるの?」
「前は見えるけど、後ろから見えないでしょ?人は本当の姿の半分しか分からないってことじゃない?」
事業に失敗したり、うまくいったように感じて一喜一憂しているおじさんのアディに、後ろ姿の写真を撮って渡すシーンは、君、ホントに8歳なの?と突っ込んでしまいました
ラストのおばあちゃんへの作文も、聞いていた家族が感動する素晴らしい内容でした
神童かな?
それからNJの「やり直すチャンスなんていらない、人生は一度きりのもの、それで十分だ」というセリフも痺れました
私はやり直すチャンスあったらやり直すけど
イッセー尾形さんのトランプのマジックのシーンの決め台詞がカッコ良かったです
誠実な人柄がNJと共鳴する何かがきっとあったんだろうな、と思いました
ヤンヤンの姉のティンティンが亡くなったおばあちゃんから折ってもらった蝶の折り紙が、なぜか手元に残る演出が映画的でお洒落な感じました
「ブレードランナー」のラストシーンを彷彿させました
とても良かったです
ただ、少し長すぎたかな、2回に分けて鑑賞しました
映画も中盤ダラダラした印象を受けました
この作品高評価付けてる方は、多分そこも含めて高評価なんだろうけど
ヤンヤンの珍々と、少女のパン◯ラ は今だとアウトかも
ヤンヤン素直で可愛かったです