相米慎二監督って、ロングで撮影する時に人の顔が見えなくても何とも思わないのよね。
単純にわかりやすい映画にする気はないよね、子供たちが主役なのに。
中学生という大人でも子供でもない曖昧な感じ、男子はバカだけど(笑)
人生経験の少なさからなのか、共感性の乏しさなのか、罪悪感を学んでる途中なのか、子供って残酷なことできたりするね。それを表現したかったのかな。
「14歳に満たない者の行為は,罰しない。」って刑法にあるけど、そりゃそうだよなーと思う。まだ、人になりきれてないというか。大人と同じ感覚では生きていない。
「個は種を超越することはできるか」「死は個の種に対する勝利か」。
この映画の中のダメな大人代表の三浦友和がとても良いね。尾身としのりのこの感じ、チャイルド・グルーミングと今なら言われるやつね。
あとほんと「台風クラブ」ほんとバービーボーイズのMVみたいね。
是枝裕和の「怪物」のクライマックスが台風なのは、是枝監督も脚本の坂元裕二も相米慎二の「台風クラブ」が好きで、クライマックスは台風が良いねってことになったそうな。
「この世、終わればいいのに。終わって新しい世界になれば良いのに」って子供心に思うのかな。ダメな大人にならないと宣言した三上君は人生を終わらせるしかなかったね。
「台風クラブ」面白かったな。でもこれを面白いって思えるのは昭和のインディ映画感覚を知ってるからなのかなぁ。
いまの子が観たら、いや今の感覚で大人が観たら、怖い映画だと思うのかな。
まあ、怖い映画ではあるけどね。でも同時に祝祭感もある映画だと思う。