篠村友輝哉

アモーレス・ペロスの篠村友輝哉のレビュー・感想・評価

アモーレス・ペロス(1999年製作の映画)
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長篇デビュー作だけあって、初期イニャリトゥの主題や語法(愛に翻弄される人間、「風が吹けば桶屋が儲かる」的な、無関係なはずのできごとが運命的に連鎖することでもたらされてしまう悲劇、それを群像劇のスタイル描くこと…)が詰まっていた。それぞれの内の制御できない愛の渦に惑うものたちの行動が、ある事故によってまさに衝突し、さらに愛に足を取られてゆく。登場人物の内面に肉迫するかのような表情の接写と、犬たちの傷ついた生々しい姿の連続は、心を重たい暗さで満たす。
篠村友輝哉

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