MarySue

百万円と苦虫女のMarySueのレビュー・感想・評価

百万円と苦虫女(2008年製作の映画)
4.2
なんだか最近点数つけるの甘くなってるような。良い作品であることには変わりないけど。

100万円貯まったら誰も自分のことを知らないような別の場所に引っ越す……。アイデアとして素晴らしいし、ちゃんとキャラクターの枷にも葛藤にもなっててただのアイデア勝負映画ではなかった。

行く先々で人を好きにもなるし嫌いにもなるような出来事が起こって逃げてしまう。それは生方美久さんの『踊り場にて』にあった「諦めるとは明らかにすること」という台詞にも通じるものがある。生きるって複雑でどうにもならないことがいっぱいあって傷ついて……だから時々逃げてしまう。でも逃げるって諦めるって次に進むため必要で、逃げる自分を受け止めて明らかにしていかないと駄目なんだろうな。

ストーリー内で起こることは割と既視感あるけど、その一つ一つの描き方が丁寧だから心に染みる。嫌な人もいっぱい出てくるけどいい人もいる。だから生きていけるのかも。綺麗事だとは思いたくない。

家庭菜園っていいなー。全然関係ないけど昔、スズラン買って陽に当てて速攻枯らした。あの嫌味主任に詰められそう。
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