MarySue

燃ゆる女の肖像のMarySueのレビュー・感想・評価

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
4.5
孤島のお屋敷に呼ばれた画家のマリアンヌ。彼女の仕事は結婚を控えたエロイーズの肖像画を描くこと。しかし、エロイーズの結婚は望まない結婚であり……。

絵画のような構図、二人の関係、望まない結婚、火、映像が映す物語……全てが自分の中に入り込んできた。

物語はシンプルというか捻りはない。でも映画って究極、その人物を追いかければ成立していくんですよ。脚本を書く身として物語をこねくり回してあーだこーだやるのも好きだけど、やっぱりこの作品はこれで良かったって感じる。マリアンヌとエロイーズが居る空間を映す、それだけで映画になっていく。

最近、物語ってなんだろう、面白いものってなんだろう、観客に何を思って欲しいんだろうって悩んでたけど、今考えているものに対する答えが出た。ドラマじゃなくて、映画をやればそれでいい。物語が心を動かすんじゃなくて、映像の時間芸術が心を動かす。そこから逃げずに正面から向き合って描けば何も心配ない。
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