12歳のころ、アメリカへ引っ越すため、幼馴染のヘソンと離れ離れになった韓国人のナヨン。それから12年後、2人はSNSを通じて再会するが、お互いの理想のために距離を取ることに。……それから12年後、2人は再び再会する。
大人としての選択。一昔前なら全てを捨てて極端な選択をしてしまいそうな話だけど、この現代では切なさと共感性へ舵を切る。理性と感情にどう向き合うか。現実が決して悪くない場合、どのように生きるべきか。
12年の歳月。この映画のギミックとして面白いのは、ヘソンとナヨンの夫であるアーサーのどちらとも結果的に一緒にいた年数は12年と、あまり変わりがないこと。もちろん空白の時間も存在しているけど、よくよく考えてみるとそうなっている。
言語の壁。バーでナヨンとヘソンが話すシーン。アーサーを置いてけぼりにして2人の世界を作り、英語ではなく韓国語で会話する。ただ、アーサーは韓国語を多少理解している。だからこそ、話している内容は分からなくても「好き」「再会」（多分言ってた気が）なんかの単語は理解できてしまったのでは？妻を知りたくて学んだ韓国語が自分の首を絞める結果に。
色々と後から沁みる映画でしたが、ストーリー自体に新鮮さはなく、地に足つけた作品なのにどこか浮ついた雰囲気が拭えない作品でした。
絶対に越えられない関係をどう見つめるか。ヘソンもアーサーも感じていたんだろうなあ。
