Chippy

百万円と苦虫女のChippyのネタバレレビュー・内容・結末

百万円と苦虫女(2008年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

就職浪人の末にフリーターになった主人公は、ひょんなことで前科者になってしまう。家庭で肩身に狭くなった彼女は、『100万円貯まったら家を出る」と宣言し、都会の自宅からの脱出を決意する。その後も海から山へと行き先は行き当たりばったり。100万円の貯金が貯まる度、次の土地へ旅立っていく。という話です。

とても素敵な映画でした。

ふとした事から前科者になってしまい、社会や家族から除け者になってしまい、自分を知っている人間のいない土地への逃避行。彼女はおそらく自分という人間が嫌いで、そんな自分から逃げたくて仕方がない。すごくわかります。

「自分探しの旅なんですね」と言われ、『違います。むしろ探したくないんです。」と答えるところも苦しい。

しかし、いじめにあっている弟からの手紙を受け取り、いつもやられっぱなしの弟が、いじめっこに反撃したということを知り、彼女は涙ながらに決心します。

「逃げずに前へ進もう」

このシーンがとても素晴らしいです。彼女は今までの人生を振り返り、逃避行ではなく、前へ進む旅をしようと決意するのでした。

人生は決してカッコいいものじゃない。もがきながらも前に進む事が大切なのではないか?そう考えさせられたシーンでした。

皆さまもぜひ。
Chippy

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