アキラナウェイ

アリス・イン・ワンダーランドのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

3.3
ルイス・キャロルの児童文学小説「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」を原作に、その後日談的なストーリーとして再構成、実写とモーションキャプチャによって映画化。

我が麗しの妖精ランキング、堂々第2位のミア・ワシコウスカ(通称ミアたん)が出演しているのに、「チャーリーとチョコレート工場」でティム・バートン×ジョニー・デップの組み合わせが個人的にハマらなかったので、長らく放置していた作品。

不思議の国での冒険から13年後。19歳となったアリス・キングスレー(ミア・ワシコウスカ)は、自身の婚約パーティーで白ウサギを追って、幼少期に訪れた不思議の国へ再び迷い込み、そこでかつて出会ったマッドハッター(ジョニー・デップ)やチェシャ猫達と再会する—— 。

流石はティム・バートン。

出るわ出るわ個性的なキャラが。

ワンダーランドを恐怖の力で支配する、頭が大きな"赤の女王"。演じるヘレナ・ボナム=カーターの存在感たるや。彼女の妹である"白の女王"を演じるアン・ハサウェイの美しさにうっとり。マッドハッター役のジョニデは相変わらずへんてこりん。この人の、普通の演技をもう何年観ていないんだろう…。そろそろ普通の役を観たい。

しかしだ。

ティム・バートンの世界観は独創的だし、嫌いじゃないが、僕には少々毒っ気が過ぎる時がある。好きなキャラクターと嫌いなキャラクターと、割と好みがハッキリ分かれる。

青い芋虫"アブソレム"。アラン・リックマンの低音ヴォイスは、聴き間違える訳がない。渋くて好き。大騒ぎするうさぎとかが喧しくて嫌い。トランプやチェスの兵隊のデザインは好き。双子"トゥイードルダム"と"トゥイードルディー"は気持ち悪くて嫌い。

反省点としては、個人的にオリジナルのアリスの物語を知らない為、後日談として語られる本作に、若干置いてきぼり気味に…。Disney+でアニメ版を観ておくべきだった。

親が決めた婚約に抗うアリス。また、ワンダーランドを救う"救世主"としての運命に戸惑いながらも、それを受け入れ、鎧に身を包み剣を握って戦うアリス。強い女性像を打ち出すプロットは非常に現代的。ただ、こうなってくると、オリジナル版のアリスとはかけ離れ過ぎなのでは?とも思う。

映像や世界観としては良いと思うが、前述の毒っけの強いキャラともはやアリスではなくても良いストーリーが些か残念。