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バベットの晩餐会の女のレビュー・感想・評価

バベットの晩餐会(1987年製作の映画)
3.8
敬虔な信徒である姉妹と、老いと、思い出と、歌と、料理と。そして2人に遣うバベットのお話。

その町の姉妹は、かつて名を馳せていた牧師の父を慕い、質素に丁寧に生きて、老いた。
作中ではおそらく50年近くの歳月が流れていると思われるのだけれど、キャストの老い方がわかりやすく、そして丁寧。

姉妹と召使いバベットの距離感がドラマチックに変化することはないのだけれど、根っこにある信頼と愛は伝わってくるのねぇ。

あー、感想を書けばネタバレになりかねないのだけれど…

あの慎ましやかな生活だけを長年送ってきた人々が、豪華なフランス料理を前に、戸惑う。そして微笑む。これに泣きそうになった人はどれくらいいるのかなぁ。

美味しいご飯を頂けることは、最高の幸せ。平和。
こう、宗教的なものはほとんど分からないのだけれど、食事って最高の快楽だと思うの、私。
あぁ、愛すべき仲間と、丁寧に作られた食事と、美味しいワインとで、ゆっくり過ごしたいなぁ。そう思える作品でした。
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