デニロ

疑惑の渦巻のデニロのレビュー・感想・評価

疑惑の渦巻(1949年製作の映画)
3.5
映画館で咳き込む観客が多くなったこの頃。芝居を観に出かけたら劇場前で係員が、関係者にCOVID-19感染者が出たので本日は中止、と言っていた。せっかく1時間もかけて来たのだからとすぐ近くにある映画館の番組を確認すると丁度本作の時間に当たったので、逡巡したが入ってしまう。ジーン・ティアニ―が目当てです。『ローラ殺人事件』を観てからは虜です。

タイトルロールで、ホセ・フェラー、リチャード・コンテと出たので、この悪者共がジーン・ティアニ―を疑惑の渦巻に巻き込む話なのだろうと勝手に想像する。ま、似たようなものだった。颯爽と登場するにやけた顔のホセ・フェラーが謎の人物で、占星術師とか催眠術師とかでジーン・ティアニ―を惑わせるのだが、彼女もまた革命的警戒心により易々とは手に落ちません。しかしながら彼女には人には言えない性癖、過去があり、そのことがこころの傷となっているのです。したたかなホセ・フェラーはそこを衝いて彼女を計略にかける。夫からも信頼を得られずに二進も三進もいかなくなり自暴自棄に陥るジーン・ティアニー。が、ここでホセ・フェラーは突拍子もない事を仕出かす。策士策に溺れるとでもいおうか。自己催眠療法で痛みを消して行動するのだが、痛みの元の傷口から血がダラダラと。自己催眠をかけるのに鏡がいるのか否か。ここでのホセ・フェラーは鬼気迫ります。

1949年製作。原作ガイ・エンドア 。脚本ベン・ヘクト。監督オットー・プレミンジャー。チャールズ・ビックフォードのやもめ刑事にホッとします。

シネマヴェーラ渋谷 特集 恐ろしい映画
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