疑惑の渦巻の作品情報・感想・評価

「疑惑の渦巻」に投稿された感想・評価

noroyu

noroyuの感想・評価

3.6
詐欺師の催眠術師?が催眠術で人妻を操って殺人の罪を着せようとさせるっていう話なのだが、全体的にフロイト丸出しでちょっと古臭さが。いや、古いんだけど。
ちょっと現実じゃ厳しいのでそこで萎えてしまった。

ただ、岡村隆史を細長くしたような悪役のホセ・フェラーはいい。立派にうさんくさい。
プレミンジャーの作品はオープニングが凝ってて面白い。男たちが女に振り回されて右往左往するのは変わらず。

窃盗癖のあるお金持ちの人妻が殺人容疑をかけられるお話。真犯人が分かっている中で彼のアリバイをどう崩すか...とミステリー調で進んでいくのだけれど落ちが笑

このレビューはネタバレを含みます

ぎりフィルム・ノワールと言えなくもない、催眠術を生かした犯罪映画。我らがジーン・ティアニーがまたも悪意なきファムファタール役。被害者の屋敷の天地方向に異常に広い空間を生かした一同勢揃いのラストの演出は見事です。

しかし、リチャード・コンテの善人役ってめっちゃ違和感あんだけどw 何か最後悪いことすんじゃないかと思ってたら、善人のまま映画が終わったっていう…

犯人が自己暗示かけるシーンの手鏡に映る顔のアップのショットが強烈。ティアニーさんが、催眠術にかかって夢遊する下りのアーサー・ミラーの撮影もよかった。あれでかろうじてノワールのルックを保っている感じ。
そこまで面白くなかった…。ホセ・フェラーが手鏡に向かって自分自身に催眠術をかけるシーンが印象的で、他はあまり印象に残らない…。
こいつは何を考えていて、こいつの企みはなんなんだ?という引っぱりはあるものの、その魂胆(意図)がわかってしまうと途端に「火サス」のような突飛な展開になり、笑ってしまった。しかしこういう“大胆さ”はこの頃のテレビではお目にかかれないが。
そして登場人物の役柄を象徴的に作劇するところや、三人(刑事、容疑者、犯人)の夫婦像を一枚絵で対比させるところは、そこら辺の2時間ドラマとはやっぱり、ちと違う。

ジーン・ティアニーは相変わらずお嬢様っぽく、催眠術にかかりやすい顔をしている。そしてよく見ると頬のあたりがすこしこけているように見えて気になったのだが、クランク・イン前に恋人と破局して、落ち込み、混乱してしたという解説を読んで勝手に納得した。ただその恋人がJFKだったということを知った時は「あらまあ」という感じになったが。
だから「催眠術にかかりやすい顔」をしていたのではなく、「本気で、催眠術にかかりたかった」のかも知れない。
いやな現実を忘れるために。