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婦系図(おんなけいず)のありがとうのレビュー・感想・評価

婦系図(おんなけいず)(1962年製作の映画)
4.6
市川雷蔵映画祭、最終日に行ってきた。

泉鏡花の原作は既読だぜ、と、ドヤりたかったのだけど、実は青空文庫(電子書籍)を読もうとして、はい、10ページでリタイアしたのは私です。

そんな私ですが、泉鏡花自身の奥さんは実際に芸者あがりで、師匠の尾崎紅葉が生きてる間は公に出来なかった…とかいう小ネタだったら何故か知っていたので、まあ随分と美化されたメロドラマだわなあ、とか、いつもだったらスカシモード全開になるところでしたが、でもそこは不思議と劇場鑑賞マジックで、周囲の御婦人方が涙腺崩壊なさってらっしゃる御様子だったし、あるいは花粉症に集団感染でもしたのかと。卒業式で泣かないと冷たい人と言われそうな斉藤由貴の気分です。

とにかくメロドラマって偉大ダナーとつくづく思い知らされました。いつか、紙の本で原作リベンジしたいと思います。

書生役も似合う雷蔵はモチロンですが、脚本や撮影含め、とにかく大映クオリティが素晴らしすぎる。三隅監督、偉大なり。女優陣もサイコーの出来でした。切れる別れるの…とかいう名セリフのシーンなんて、とにかく美しいの一言で。

ぜひまた劇場スクリーンで雷蔵作品が観たいものです。どうかよろしくお願いいたします。ま、まさか来月、梅田まで来いとおっしゃる?
ありがとう

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