婦系図(おんなけいず)の作品情報・感想・評価

婦系図(おんなけいず)1962年製作の映画)

製作国:

上映時間:99分

ジャンル:

4.1

「婦系図(おんなけいず)」に投稿された感想・評価

upq

upqの感想・評価

3.5
お嬢さん良い子だった
カラー映画出たてって訳でも無いみたいだけどちぐはぐな感じ。それはそれで良い
●20 9/17&22
『没後五〇年特別企画 市川雷蔵祭('20 9/5〜10/9)』: メトロ劇場
〈′20 5/16&26(特集上映期間: ′20 5/2~29)公開予定だったが、コロナウィルスの影響により延期〉
配給: KADOKAWA
9/1711:00~ メトロ劇場にて観賞
DCP上映
LPCMモノラル
特集上映パンフ未購入
※縦のネガ傷・細かい白パラ有り。
文部大臣の使いの最初の台詞の頭が欠落。

(教室以外)美人のオンパレード!
(そういう時代だからしょうが無いが)性差別・職業差別・身分格差のてんこ盛り。
主役の雷蔵様の子役が雰囲気違いすぎて違和感。


◯′62 12/1~公開
配給: 大映
ワイド(シネスコ)
Westrex Sound System
モノラル
フィルム上映
『歌行灯』と同じく話として面白く、泉鏡花はなかなかのストーリーテラーだったのだなと思ったが、小説と映画の話はけっこう違うようだ。小説は鏡花自身と芸者だった妻の話をベースにしているらしい。『歌行灯』とどちらが面白かったかと言えば、圧倒的に『歌行灯』。何故ならこちらは一般的なドラマ映画なのに対して、あちらは力のある音楽映画だから。結末も好き。

「別れろ切れろは芸者の時に言う言葉、いっそ死ねと言って下さい」というあの有名な台詞が登場してビックリ。この話の台詞だったのかー、と。でも、小説にはなく、元は新派の舞台の台詞らしい。

1ヵ所それ言っちゃうとマズくない?と思うところがあって引っ掛かっかり、そのため、雷蔵さん演じる主税の人間性に若干疑問符がついたのが残念。

38
NUZOO

NUZOOの感想・評価

4.2
めちゃ良かった。

掏摸から学士になった主人公をはじめその周りの人々が、恋愛や結婚のために出自や職業差別に翻弄され抗おうとする話。
社会の不寛容さが降りかかって上手くいかなくなる恋愛を、意地でも完結させようとするお蔦(万里昌代)の強さに感動した。
個性の強い人々の間を行き来する めの惣(船越英二)や、観客の気持ちを一身に引き受けてくれる女中?のお源(近江輝子)がかなり良いアクセントになってて最高。

中盤の二人の別れのシーンと、たえこがお蔦を訪問するシーンの二つが特に感動的で、それぞれの人物のバックグラウンドや思いを感じさせながら絡んでいく会話のセリフひとつひとつが秀逸で素晴らしい。
「あなたの意地を通させてあげる」「最後に夫婦として顔を見せて」「あの人は芸者のまことをわかってないわ」など胸にくるお蔦のセリフの数々…(別れに際して出てくる言動がキスではなくて「顔を見せて」なところにぐっとくる)。「芸者を売女と呼ぶのはやめて」というド直球のセリフをしっかり入れているのもよかった。

構図が不思議で、何箇所かのシーンで人物を真ん中ではなく画面の下に据えて撮ったり、別れのシーンではほぼ全てのカットの手前に梅の枝を写り込ませるといった構図のとりかたが面白かった。どのシーンも止めた絵がきまってる。
しっかりした構図に呼応する顔の強さが印象的だった。
こういう映画を見ると自分は日本人の心をどこかに置き忘れてきたのではないかと不安になる。早急に取り戻さなくてはいけない。

疎らに咲く白梅、湯島境内にて
主税がお蔦に別れを告げるシーン。その色使い、配置は日本人の心を擽る。またそこでのお蔦の別れを惜しむ系図や身分を超越した愛を訴えるセリフは強く胸に刺さった。
美しい...。

もう、↑のバケ写まんまの画面が動きに動く。書生見習いと芸者の悲恋もの、大正?版逆ロミオ&ジュリェットという感じのお話だが、登場人物は皆一様に青白く、血色が悪い。

画面には、寒色ばかりで赤みを帯びた色が出てこない。が、疑心暗鬼から傷つけ合う大人たちから距離を置く三条魔子(主人公の養父の娘)のパートだけは、僅かに赤みが差しこむ。

雷蔵と万里昌代のカップルが素晴らしい。

神社の境内での運命的なシーンでは、決して散ることのない梅の花の白さ、ブルーグレーの薄闇が二人の行先を示しているかのよう。「死ねと言って」というセリフもスゴイし、大階段のセットもスゴイ。

前半、登場人物が座ったまま、立ったままの普通の会話シーンがあっただろうか?盃を傾けながら、魚を焼きながら、筆を進めながら、部屋の中では常に誰かが動いている印象。

芸者置屋の女将、木暮実千代は、溝口の「祇園囃子」の姐さんがそのまま年月を重ねたかのよう。加藤泰の「瞼の母」で彼女が演じていた役柄とも重なる。

後半は、クローズアップ多めで、雷蔵の正面からのどアップも一度だけあるが、殆ど気にならず。あと、度々鳴らされる乾いた音か印象的。冒頭の祭り、魚焼き、ほうれん草を切る音、などなど。泣きのシーンで顔を見せないのもよい。
万里昌代さんが素晴らしいのだが、先日見た新東宝時代の「暴力五人娘」との落差が激しすぎる!笑
こんな女優さんが80年代以降消息不明とは…
ryosuke

ryosukeの感想・評価

3.8
途中までは、流暢な語り口はいつも通り流石だが、三隅にしては外連や美学が薄味で普通だなと思っていたのだが、親的な存在というメロドラマにおける定番の障害が二人を妨げる展開に至って、桜(じゃなくて梅だった。流石に桜と梅ぐらい見分けてくれ自分)に彩られた画面は陰鬱な輝きを見せ始める。いやーこのシーンはあまりに切ないな。
ぶっきらぼうな口調で雷蔵を詰問する千田是也の迫力は、社会の同調圧力そのものを体現する重さを持っており、強い愛情をいとも簡単に打ち破って雷蔵に頭を垂れさせる役割に相応しい説得力があった。社会の圧力の中で苦しむのは常に女という物語になっている。
このストーリーでの唐突な銃の登場は驚いたがこの辺りは流石三隅。
ラスト間際、床に伏す二人の姿の類似に基づくシンプルな繋ぎは、二人の結びつき、彼らの「誓い」が物理的な距離を無化したことを的確に示す。
ラストシーン、ヒロインが息を引き取った以後は雷蔵に一言も喋らせず、ただ誓いの場にも咲いていた桜を眺める姿だけで全てを示すのもお見事。
yuka

yukaの感想・評価

4.0
悲恋を描いた映画というのはたくさんあると思うんだが、そういう形式と分かっていながらこんなに泣けたのは初めてだ

病室にヌッと人が入ってくる演出がヤバい
映像のテイストが好みではなくて残念だったけど、テンポよく速い展開で引き込まれる。特に良かったのが、お嬢さんがお蔦に会いに来るところで、いわゆる泣かせる場面ではないのに、お嬢さんの気立ての良さが涙を誘う。お嬢さんが去っていくのを画面のずーっと奥で見せる部分も含めて、名シーンだと思った。万里昌代は健気さと心意気があって、まさにはまり役だと思う。

「市川雷蔵祭」
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