婦系図(おんなけいず)の作品情報・感想・評価

婦系図(おんなけいず)1962年製作の映画)

製作国:

上映時間:99分

ジャンル:

4.0

「婦系図(おんなけいず)」に投稿された感想・評価

柳のしたの慕情に溢れる三隅美学 「婦系図」

6度も映画化された泉鏡花の小説ですが「婦系図」と書いて(おんなけいず)と読むそうです。

実は知りませんでした。

私が今回観たのは最後に映画化された三隅研次版。
大御所依田義賢先生による脚色です。
いやあ傑作でした。
ひやすら恐ろしいくらいの傑作「桜の代紋」には遠く及ばぬものの三隅作品は現在でも決して無視できない映画作家とまた認識。
ヒロインお蔦を演じた万里昌代という女優さん。
1980年以後の動静は不明だそうですがこの一作観ただけでも名女優の名にふさわしい方です。
2017.08.02
三隅、不気味なほどの映画力。カットの切れ目でいちいち震える。
ネムル

ネムルの感想・評価

4.0
泣いた。

引きの絵が凄い。これだけでグッとくる。
しかし、妄執のようなオチは!
何度も映像化されてきた泉鏡花の名作の、劇場映画としては最後の映像化作品。強固な愛で結ばれた若い2人による封建的因襲への反撃が、力強くも美しく哀れな悲恋物語として描かれる。決して単なるお涙頂戴にはなっておらず、大時代的な演出や芝居も廃されているが、それでも紅涙を絞らずにはいられない名作。鑑賞にティッシュは欠かせない。

そして、そうした静的な涙のシーンに流れる伊福部昭の劇伴が、登場人物の心情に見事にマッチングしている。ハッキリ言って、伊福部音楽がメロドラマでここまで活躍できるとは思っていなかった。役者への寄り添いがハンパない。

さらに、万里昌代が良い。当初予定されていた若尾文子が降板したためのピンチヒッターだったそうだが、のっぴきならない浮き世の事情により最愛の男と別れざるを得なくなる芸者の役を好演。哀れさと美しさと奥ゆかしさと自己犠牲と、それでいて無邪気さと、そして何より芯の強さが共存する見事な演技。若尾文子は日本一好きな女優さんだが、本作に限っては万里昌代で正解だったのでは?とさえ思う。
h

hの感想・評価

2.5

桜の使い方、非常に良し。どこか溝口的だ。私にとってそれは長いということでありはっきりと嫌なことだ。『斬る』のような実験性が足りないと感じてしまう。でも、見れた。あの、万里昌代が出迎えのお辞儀を練習するショット、なぜ思いついたんだ。いくらなんでもヤバすぎる。映画の不思議。
out2lunch

out2lunchの感想・評価

4.0
つぶらな瞳の悪人、片山明彦。いまこの話を語りなおすとしたらいったいどんな方法があるだろうかと思いながら見てた。千田是也が雷蔵にいちゃもんをつけるところで笑ってる客がいたけど、たぶん無意識のうちにそのへんのきしみを感じてたんじゃないだろうか。なお、雷蔵は同僚のOさんに似てる。
ほとんど完璧な映画だ…。
冷たさは相変わらず圧倒的な三隅研次だが、温かさもまたここまで演出できる監督とは思わなかった。
アングルやカットの刻み方も目を剥く一級品なれど、この温かさが特に素晴らしい。
お蔦の死に際の温度感は類を見ない質だと思う。

唯一、木暮実千代が優しすぎるのが物足りないけれど、
『瞼の母』ばりの子への想いを募らせる母の情念が泣かせるので許してしまう。
日本映画専門チャンネル〈日本映画クラシックシアター〉(140816録画分)
rico

ricoの感想・評価

3.8
泉鏡花にしてやられたのか、いたく感動してしまったw
とはいえ、2人が別れるシーンとか、三隅さん的な演出が光っていてすごく素敵でした。
あと、お蔦さん役の人が美しいです、、、、!