Kumonohate

悪名波止場のKumonohateのレビュー・感想・評価

悪名波止場(1963年製作の映画)
3.5
シリーズ第7作。確かにこれまでと比べると物足りないと思う向きもあるが、それでも、あの手この手でシリーズを作り続ける制作者には敬意を表する。基本路線やフォーマットを守りつつ、常に革新を加えながら一定の水準を保つなど、簡単なことでは無いハズだから。

で、今回の新機軸が「おなご船」。港に係留されている舟で共同生活を送っており、外国船が入ってくると一稼ぎするという設定の女性たち。彼女達の明るさと力強さが魅力的。それだけに、もっと活躍させても面白かったんじゃないかと思う。以前、FBで知人に指摘されて気付いたが、「悪名」シリーズは女性が面白い。女性が物語の鍵を握っている。「おなご船」は新機軸ではあるけれど、一方で、シリーズのフォーマットに則った設定でもある。見事なもんだ。

もう一つ興味を引かれたのが舞台となった宇品港。何度も訪れたことのある慣れ親しんだ場所ではあるけれど、なるほど54年前はこんなだったのか。地形こそ今と変わらないが、港湾設備は旅客桟橋に限ってはずいぶん様子が違っているようだ。他の桟橋には行ったことが無いので今度行ってみよう。聖地巡礼。
Kumonohate

Kumonohate