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年をとった鰐のkissenger800のレビュー・感想・評価

年をとった鰐(2005年製作の映画)
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因果な性分なのでブリー・ラーソンが熱演する『ショート・ターム』(2013)における挿話はここで紹介されている物語の(あえてその語彙を使うとすれば)盗用ですか。
という自問自答への解を見つける旅に出たまま、帰還できずにいる私です。
両作品を知っているひとたちも洋の東西問わず数人はいそうなのですが、私を含め、仮にそうだとしても『ショート・ターム』の価値が減るとは考えない。という着地で世の中は平穏なので、ただただ、私個人の心の安寧の話なんですが。

2008年、卒業制作の20分短編が『ショート・ターム』(2013)の原型で、日本のアニメが好きだと公言しているデスティン・ダニエル・クレットンがこの山村浩二監督の2005年作品を見ていない証明も、見ている証明も、どっちも出来ない。
インタビューでは「あのシーンは何にインスパイアされて書いたんです?」と聞かれて「覚えてないんだよね実際」と答えている。

そうかい。

じゃあ、『ショート・ターム』の例のシーンと、YouTubeで公開されているこれを見てくれ。
きみたちはどう思うか。と聞きたくなるところですが-正直、原作の絵を動かしているだけのこのアニメーションも、そこまで出色とは個人的には思えず、もっと言うならくだくだしい童話の一部を取り出し、自らのストーリーに嵌めたクレットンの才気はどっちみち称賛に値するので……いやマジで、なんでこういうことが気になるかな俺、という。

4代前に日本からハワイに移ったという、マーベル超大作の主人公にかめはめ波を撃たせている(個人的にはアローラ・キュウコンをしれっと出演させていたのも面白かった)監督が、自らの出世作について今からでもthanks toってクレジットしてくれりゃそれで(俺は)解決なのよー。
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