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偽りの隣人 ある諜報員の告白のkissenger800のレビュー・感想・評価

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『キングメーカー大統領を作った男』(2022)のソル・ギョングと同じ金大中が主人公、かつ彼を演じるオ・ダルスの、キャリア全壊レベルのハラスメント案件からの復帰第一作。って前提がないと何も理解できないやつじゃないですか。不親切か。(と各種ウェブサイトの紹介を見て思う)

おまえがどんなキレイゴトを言ってもなあ。
という視線がオ・ダルスに浴びせられるのは当然で、民主主義に対する分かりやすいアンチテーゼなキム・ヒウォン以上の“汚れ”が本来ヒーローであるべきキャラクターに向かうことは映画制作にGO出した瞬間から自明だったはずなので同情はしませんが、作品そのものは水準を下回らないエンターテイメントになっていたので、まあまあもったいないことをしたな。という感想はあります。

ちなみに『パラサイト 半地下の家族』(2019)の末っ子ことチョン・ヒョンジュン(=作中の主人公ひとり息子)は、実在する金大中の3人息子が全員なにかしらうしろぐらいところを衝かれているところから遠く離れたファンタジー設定でしたが、金大中娘も婚外子としてとやかく言われた存在なので、われわれ門外漢が見る以上の複雑な感想戦が本国では起きたのでは、と思いました。

……ざっとでもいいからそういう前提なく見てこの作品の評価、出来なくない?
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