イチロヲ

暴走パニック 大激突のイチロヲのレビュー・感想・評価

暴走パニック 大激突(1976年製作の映画)
5.0
警察に追跡されている強盗犯の青年(渡瀬恒彦)が、行きずりの女(杉本美樹)と共に逃走劇を繰り広げていく。70年代ハリウッドのカー・アクション映画を模倣している、クライム・アクション大作。

銀行強盗の失敗により相棒を死なせた青年が、警察組織、相棒の兄(室田日出男)に目を付けられ、執拗に追い回されてしまう。自分の女を日本に置き去りにして、海外への高跳びを企むのだが、離れられない関係になっていることに気づかされる。

東映京都、ピラニア軍団、ピンキー・バイオレンスの化学反応が、驚天動地ともいえるレベルで映像内に迸っている。大勢のエキストラと一般公道を使用したゲリラ撮影、俳優陣による丁々発止のオラオラ問答など、独特のグルーヴ感に酔いしれることが可能。

ヒロインの杉本美樹が、意志薄弱とした底辺の女性像を演じているところに新鮮味がある。各シークエンスの登場人物が、自棄と鬱憤を爆発させた状態で、デモリション・カー・ダービーに参戦するくだりも最高にアナーキー。
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