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子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつるのhjktkujのレビュー・感想・評価

5.0
子連れ狼1 子を貸し腕貸しつかまつる
子連れ狼2 三途の川の乳母車
子連れ狼3 死に風に向う乳母車
子連れ狼5 冥府魔道
どれだけの量の血糊を使ったことか、腕が飛ぶ、首が飛ぶ、足が飛ぶ、そのたびに夥しい量の血しぶきが飛ぶ、まさに黒澤明監督の「椿三十郎」(1962) ラストシーンの驚きと同様の、サービス精神いっぱいの、巨匠三隈研次監督51歳のときの時代劇の快作である。若山富三郎も水を得た魚のように飛び回って、自身の最高傑作となった。三隈研次監督といえば、座頭市物語(1962)シリーズ6本、斬る(1962)、新選組始末記(1963)、剣鬼(1965)と多くの傑作を放っているが、この子連れ狼(1972)シリーズ4本に精力を注ぎこんで、その2年後に、全く惜しいことにあの世に旅立っている。この監督、早世しなければあとどれだけの傑作を残したか残念でならない。没後50年が経過したが、工藤栄一や森一生同様もっと高く評価されるべき監督の一人である。三隈研次監督は、斬る(1962)では、人間が左右に真っ二つになる「真っ向から竹割」を描いて度肝を抜いたが、三隈研次の独創は若山富三郎の無二の殺陣を得てこの映画で時代劇に金字塔を打ち立てた。原作小池一雄・作画小島剛夕の劇画を原作としているため、すでに絵コンテも脚本も出来上がっている。映画用に補作した脚本を基に、職人監督三隈研次は、原作の雰囲気を損なうことなく、より過激な殺陣、テンポのいい演出、美しい映像で最後まで飽きさせない、異色傑作時代劇を放った。何本もの傑作時代劇を作り続けた大映技術陣の質の高さとスタントマン宍戸大全も称賛されるべきである。原作、脚本、監督、主演が揃うと自然によい作品が出来上がる。面白い映画とはこういう作品を言う。小太りの拝一刀と演技下手の大五郎は愛嬌か。
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