恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画) 40年ぶりに見た。当時はリメイクだったので、まっこんなものかと思ったが、実は、ウィリアムフリードキン監督を無視して配給会社が勝手に編集短縮したせいでつまらない映画になってしまっていたのが判明し、この映画の素晴らしさを改めて確認できた。「オリジナル完全版」の意味がやっと分かったのである。この逆のパターンに「ニューシネマパラダイス」という映画があるので、映画における編集というものの重要さがわかる。さて、フレンチコネクション、セブンアップス、ジョーズで男を上げたロイシャイダーが生きるか死ぬかぎりぎりの状況下でのチンピラを好演している。4万ペソ（４０００万円くらいなのだろうか?）を手にして未来に明かりが灯ったときに、原作監督のアンリ＝ジョルジュ・クルーゾーに敬意を表してチャーリーパーカーの「I'll Remember April」が流れる中、フランス人仲間の代わりに酒場の女給と踊る余裕を見せて終わり・・・と思わせといて、タクシーから殺し屋が現れ命はなくなるのだろうと思わせて終わるエンドの余韻がいい。何度見ても飽きない、名作である。
