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ヤコブへの手紙のmiのレビュー・感想・評価

ヤコブへの手紙(2009年製作の映画)
4.4
フィンランド映画。
本当に静かで寂しいストーリー。
役者の台詞も、音楽も必要最小限におさえられ、
出演者も、ほぼ3人しか登場しない。
上映時間も75分と非常に短い。
なのに、奥深い。
美しいフィンランドの情景も、言葉少ない台詞も、
役者の横顔も、何ひとつ無駄がない。
だから心を透明にしてくれる。
だから涙が自然と流れる。


恩赦で釈放された元終身刑囚レイラと、年老いた盲目の神父ヤコブ。
彼に祈りを願う信者の手紙を彼の代わりに読み、
返事を書く仕事を依頼され、行く宛もないレイラは、
仕方なく住み込みで働き始める…。


レイラ役のカリーナ・ハザードの演技が特に素晴らしいです。
人のはかなさ、心に抱える孤独という闇を、
この作品は実に丁寧に描いています。
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