ひまやこぞう

ソナチネのひまやこぞうのレビュー・感想・評価

ソナチネ(1993年製作の映画)
5.0
〇不意に出現する「突然」のたびに背筋が伸びる。突然の刃傷沙汰、突然の灼熱の太陽、突然のビル爆発、突然の銃撃戦、突然のスコール、突然の女性登場……。
〇突然の嵐のなか、「少しずつ」正体を現す殺し屋がより不気味。
〇実弾まじりの花火合戦、人間紙相撲、なんちゃって琉球舞踏、落とし穴、決して人の手から手へと渡らないフリスビー。本編ストーリーとは関係なさそうな虚無的な遊びがストーリーに深みを与える。
〇最良シーンは、銃の乱射を反射する駐車場の車のボンネット。
〇黒煙を上げる車。ゴダールまでを取り込んだ度量。
〇今となっては甘ったるい音楽も妙に馴染んでる気がするのは、その後に起きた監督のほとんど自死事件(98年4月)を知っているから?
〇生涯ベスト作品。25年ぶりにスクリーンで観られました。感謝。