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噂の女のyukaのレビュー・感想・評価

噂の女(1954年製作の映画)
3.8
男に翻弄される母娘と、他に生きる道を知らない太夫たちの哀れ

屋内での人物移動を丁寧にとらえた撮影が良い

終盤の修羅場にて、久我美子が握る鋏の放つ光と田中絹代が奪ったそれ越しの久我美子の厳しい眼差しが決まっていた

お座敷に向かう太夫が最後にこぼす台詞と彼女のぽっくりの厚みが唐突に余韻を残す

溝口らしい主題で手堅く仕上がっているが、二人の女に挟まれる男(医者)が、役柄としても演者の技量という意味でも、大女優たちに比べて小物感が目立った‥
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