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ジョニーは戦場へ行ったのchanmasuのレビュー・感想・評価

ジョニーは戦場へ行った(1971年製作の映画)
3.8
ヘルプ・ミー s.o.s。
四肢と顔を失ったジョニーの回想と現実が行ったり来たり。現実はモノクロ、過去はカラフル。死んでいった兵士にもこんな過去があったと思うと。よく思いますが、戦争の兵士は、ストラテジーゲームの兵士1人なので、そこに人格は認められていないし、無くなったらまた新しいのがくるだけの存在。
ジョニーも家族ぐらいで彼女には忘れ去られてしまうというのが容易に想像がつく。
上半身裸のおばさんが左に、赤いランプと右の白いベッドの不気味な画が印象的。見せものサーカスの露悪さもなかなかです。
よく反戦映画の一つとして語られますが、なるほど、本当に恐ろしい。兵役を拒否したくなります。お国の為にとは言いますが、コマだし個人なぞ変えのきくちっぽけな存在なので、知っている人以外には当たり前だが1人の個人として思い出される事も無い。パーティー会場のシーンもとても印象に残る。
カーネルおじさんみたいな人が国のために戦おうみたいな事言ってた気がしますがとても不気味。将軍みたいな人が労働者諸君!戦争があるからパーティは終了ですとキレ気味に言う。夢のシーンはとてもシニカルで不気味で悪夢をストレートに表す。戦争で、個人が国家のゲームに駆り出され、人格を消し去られ使い捨てられていく事の愚かさを考えてしまう。
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