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運動靴と赤い金魚のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

運動靴と赤い金魚(1997年製作の映画)
4.0
妹の靴をなくし自分の靴を妹と交代で履くことになった男の子の悪戦苦闘をほのぼのと描いたイラン映画の秀作。
監督・脚本はイランのマジッド・マシディ。
原題:(ペルシア語) بچه‌های آسمان‎、(英) Children of Heaven
(1997、1時間29分)

小学生のアリ(ミル=ファロク・ハシェミアン)は、修理してもらった妹ザーラ(バハレ・セッデキ)の靴を帰宅途中に失くす。
家が貧しくてそのことを両親に言えず、妹に頼んで自分の運動靴を替わりばんこに履いて登校することにする。
そんな時、小学校のマラソン大会が開催され、3位の賞品が靴だと知る…。

~他の登場人物~
・父(アミル・ナージ)
・母(フェレシュテ・サラバンディ)
・アリの教師(ダリウシュ・モクタリ)
・アリの学校の教頭
・ザーラの学校に通う女の子
・大きな家に住むおじいさんと孫


子どもは外で走りまわるものだ、ということが当たり前だった(清水宏監督の映画には子どもが走るシーンが一杯出てきます)が、残念なことに今は日常、走りまわる子どもを見ることがほとんどなりました。
このイラン映画では少年はもちろんですが妹も一生懸命走ります。やっぱり子どもが走る姿はいいなあと思います。
家が貧しいからお兄ちゃんは妹の靴を失くしたことを親は言えない。妹もお兄ちゃんとの約束を守って親に言わない。
泣き虫なお兄ちゃんですが、親にも先生にも内緒で何とか乗りきろうとして悪戦苦闘します。
兄の妹、2人のやり取りがほのぼのとした笑いを誘います。
一番好きなのは、ザーラが自分の靴を履いた女の子を見つけ、取り返そうと女の子の家まで兄を連れていくシーン。
そして、クライマックスは5キロのマラソンですが……結末は見てのお楽しみ。
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