足らんティーノ

悪魔の沼の足らんティーノのレビュー・感想・評価

悪魔の沼(1976年製作の映画)
3.5
テキサス州エレメンドルフの実在の殺人鬼ジョー・ボールの伝説を下敷きにした、トビー・フーパーのハリウッド第一作。

第一次世界大戦によるPTSDから狂人となったホテルのオーナーが、飼っているワニに客を喰わせる。

特にドラマはないが、狂人が戦後の後遺症に苦しむ様を丁寧に描いている。
まさかのアニマルホラーで面をくらったが、化け物の苦しみの表現は、まさにトビー・フーパーの面目躍如だった。

DVDのデラックス・エディションで鑑賞。
本編と、特典の『エルメンドルフの殺人鬼 ジョー・ボールの伝説』と『スチールギャラリー』、『日本公開時のオープニング "Starlight Slaughter"ヴァージョン』を視聴した。
なかでもジョー・ボールの甥のインタビューを交えた『エルメンドルフの殺人鬼 ジョー・ボールの伝説』は、この映画を理解する上で必見。

〈メモ〉
本作の原題にはEaten Aliveの他にも、Death Trap、 Horror Hotel、Horror Hotel Massacre、Legend of the Bayou、 Murder on the Bayou、Starlight Slaughterといった複数のタイトルが存在し、1976年の日本初公開時の原題はDeath Trapとなっていた。

野外ロケ中心の『悪魔のいけにえ』に対し、「悪魔の沼」は一部のシーンを除き、大半がセットで撮影されている。 トビー・フーパーの他にも、『悪魔のいけにえ』の主要スタッフ・キャストが本作に携わっており(脚本:キム・ヘンケル、出演:マリリン・バーンズ)、前作からのオマージュが随所に見られる。 また、キャシー・ヒルトンの娘であるカイル・リチャーズが子役として参加している。 さらに、フーパー自身も通りかかった車の運転手役でカメオ出演している。

冒頭でのロバート・イングランドの台詞「俺の名前はバックだ…。」 は『キル・ビル Vol.1』でオマージュとして使われている。

2021-374/字幕
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