外部監督であるブラッドバードだからなのか、思ったよりアクションがハードで、敵も本気で殺しにかかって来る。スーパーヒーローの敵なんだから釣り合っているとも言えるが。
冒頭から凄まじいテンポで事件が起きるが、中盤まではヒーローらしさを抑圧するシーンが多いのでだいぶもどかしい。
自分の才能を思いっきり発揮する事で人間的に成長するという、普遍的な話になっているのが流石。ヴァイオレットのバリアとダッシュの合わせ技でウルウル来て、家族の再集合で落涙。森のアクションは文句無しだし(スターウォーズEP6のスピーダーバイクを思い出した)、イラスティガール絡みのアイデアの多彩さも見事。子供達と違って戦い慣れてる感じがカッコいい。イラスティガールは髪の表現も良かったなあ。
「みんなが特別ならスーパーヒーローなんて要らない」。このセリフがダッシュとシンドロームでリンクしていたり、ダッシュのリモコンキャッチの下りがフットボールの練習シーンと繋がっていたり。高速の降りる場所について喧嘩しつつ、リモコン争奪戦で締める。夏の家族旅行から帰ってきて絆が深まったような感じ。脚本上手すぎ。
シンドロームの、スーパーヒーローオタクを拗らせた感じがこれまた魅力的。数々の不幸な事故を知りながら、オタク特有のこだわりからマントは外せなかったんだと思う。彼の闇落ちにだって理由があるわけで、ラストはちょっと複雑な気持ちになった。76点。