オリバー・ストーン監督がリチャード・ニクソンの半生を描いた作品。
特にウォーターゲート事件以前の政界でのし上がっていく力強いニクソンの姿は、これまであまり知らなかったので興味深かった。
追い詰められていく後半は、様々な映像で語られているとおりだが、最後に正気を失っていく姿は哀れだ。
家柄がいいわけではなく、あらゆる手を使って国のために戦ってきた男が、いつの間にか国を裏切っている。そこには国家以上の存在である有力者や企業やメディアの力が見えてくる。
アンソニー・ホプキンスはニクソンに似てないけど、なんかそれっぽく見えてくるところはさすがだ。
そして、皮肉だが「大統領の陰謀」「フロスト×ニクソン」「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」と、ニクソンほど映画界に材料を提供した大統領もいないかもしれない。