ぼとる

スリーパーズのぼとるのレビュー・感想・評価

スリーパーズ(1996年製作の映画)
4.0
NYのヘルズ・キッチンで暮らすシェイクス、マイケル、ジョン、トミーの4人組は、とある悪ふざけがきっかけで少年院に入ることになる。そこで彼らに待ち受けていたのは、看守による過酷な嫌がらせ。出所から14年後、大人になった彼らは看守への復讐計画に動く。

少年たちの青い春は、ほんの些細なことで崩壊しかねない。

少年時代、獄中生活、14年後の大人時代を描く三部構成。
貧困街で生活が苦しくも、彼らなりに楽しく過ごす、のどかな平穏パート。
突如、平穏から堕とされ、生活が悪夢へと一変する獄中パート。
大人になって、彼ら4人の復讐が始まる、サスペンスパート。
150分弱の長尺でも、味変のように、3回物語のテイストが変わるので飽きずに観られました。

あと演出。
地獄のような体験の回想時に少年時代の青い春をところどころ挿入したり、尋問部屋が徐々に遠くなって暗闇となっていくカメラワーク、ヘルズキッチンでの日々は全体的に暖色で、少年院は寒色になっているなど、演出の意味が視覚的にわかりやすいものになっていたのが秀逸でした。

ケビン・ベーコンの演技良かったですね。頭のネジがどことなく飛んでるような振る舞い、ヤバいやつ感が滲み出ていました。

正直、彼らの行なった復讐は正しいものかどうかに関しては、そうではないと思います。しかし、彼らの行為や感情に純粋に共感させられるので「正しく」見えてきます。それがこの作品の凄いところでした。
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