レコード会社みたいな名前。「アイム・ノット・シリアルキラー」のマックス・レコードくん出世作。
ジャケットが印象的で以前から気になっていたので鑑賞。
8歳のマックス。
姉は友達と長電話したり、友だちと遊んだりで構ってくれない。
パパとママは離れて暮らす様になっていて、ママは仕事に夢中でやっぱり構ってくれない。
むしゃくしゃして、ママを噛んで、家を飛び出した。
舟に乗ってどこまでも海を行く。ある島に辿り着いたけど、そこは奇妙なかいじゅうたちがいるところだった。
序盤はきっちり現実を描きながら、途中から思いっきりファンタジーへと舵を切るストーリーライン。
8歳の少年が、舟を漕ぎ出すあたりから世界観がガラッと変わる。ナルニアに通じるクローゼットをくぐり抜けて行く様に。
そして奇妙奇天烈な生き物、かいじゅうたち。
身体は「にこにこぷん」のじゃじゃ丸的な着ぐるみだけど、顔の表情はCG。このアンバランスさがキモかわいい!!…のか?
キ、キ、キモくないか…!?
マックスと最も仲良くなるキャロルはまだ可愛いんだけど、他のメンツはちょっとキモいし、ちょっと怖い。
キャロルの吹き替え声優は高橋克実さんだった!そっちの声も聞けば良かった!
かいじゅうたちに食べられない様に王を名乗るマックス。
思いっ切り遊んで、重なり合って寝て。
皆んなで砦を作って、戦争ごっこをして。
楽しかった筈なのに…。
以下、ねたばれたちがいるところ。
嘘をつく。傷付ける。
戦争ごっこをする。傷付ける。
マックスがそこで学んだのは、単純に友だちと遊んで身に付けるべき社会性。マックスには本当に友だちがいなかったのだと思うと少し寂しい。
子どもは皆んな皆んなが王様で。
皆んな皆んながモンスター。
もし子ども達が遊んでいたとして。
王ばかりの王国に平和などある筈がなく、
モンスターは気に食わなければ噛み付いちゃう。
マックスは自分が王だと嘘をついた事、戦争を持ち込んだ事で、かいじゅうたちを傷付け、皆んなの事が好きだけど、ここは自分がいるべき場所じゃないと気付く。
ママの元へひた走るマックス。
ほんの少し大人になって。
そして、マックス・レコードくんの演技が神がかりな程上手い。キャロルと砂漠を歩くシーンは美しいし、音楽も良い。
でも、諸手を上げて褒められないのは、ファンタジーへの舵取りがやや力技に思えるのと、後はやはりかいじゅうたちの造形かな。あくまで個人の意見として。
ネバー・エンディング・ストーリーのファルコンもどこかキモいと思っていた幼少期を思い出した。