Ryoko

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカのRyokoのレビュー・感想・評価

4.3
3時間超えの長さは全く感じません。禁酒法時代のニューヨークが舞台だが、時代描写が本当に秀逸。ニューヨークの街並み、駅舎、路地裏、ユダヤ人ゲットー、室内空間、インテリア、3つの時代を行き来する橋渡しのようなアイテムたち。一つ一つが意味を持って存在している。それにエンニオ・モリコーネの音楽と役者陣の繊細な演技が絡み合い、見事に映画の世界に引っ張り込まれる。映画を作る上で舞台の作り込みがいかに重要かに気づかされる一作だった。
ラスト10分前までは自分の中では4.5超えのレベルだった。それを覆したのはラスト。意味深なシーンが続き、一気に心の置き場が無くなる。衝撃に加えて妙なモヤモヤが残る。このラストをどう捉えるかでこの映画の好き好きが決まるような。
自分は、マフィア映画には深読みさせるような要素を入れないでほしい、素直に余韻に浸らせてほしいと思ってしまう。そしてあらためて感じてしまうのはゴッドファーザーがいかに完璧かということだった。
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