見て良かったけど、長尺で登場人物が多く、関係性を掴むのが大変。少し予習したけどもう一度見ないときちんと理解できない気がする。
あまり感傷的な見方はしないつもりだったけれど、実験成功から原爆投下のシーンでは日本人としてなんともやりきれない想いが込み上げてきた。
ナチスやソ連に先を越されたらもっと大変なことになる、国際的に原爆を管理する体制を作るため原爆の恐怖を植え付ける、一度でなく二度やったのは降伏しなければ続けることをわからせるため。色々な理屈が出てきたけれど、あんな狭い部屋で数人のおじさんたちによって核のボタンを押すことが決められ、数十万の人たちが殺されて…。正直、オッペンハイマーの苦悩など同情できなかったし、戦後の政治的な思惑が絡んだ話とかも勝手にしてくれという感じだった。
本当に本質が見えていたのはアインシュタインだと思う。
ノーラン監督は、インタビューの中で今この時代に核戦争が起こったらどうなるか知ってもらいたかったと言っていた。原爆の悲惨さを強く描くという方法もあるのかもしれないけれど、まず見てもらうのが大事であるとしたら、伝記ものにして有名俳優がたくさん出してというのは一つの方法なのだとは思う。そしてオスカーを取ったことで一人でも多くの人に見てもらえたらと思う。
