シミステツ

マイ・フレンド・フォーエバーのシミステツのネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

HIVに感染しているデクスターとエリック、隣同士の友情を描く冒険物語。
川を下ったり、カートにデクスターを乗せて戦車ごっこしたり。ホモと揶揄ってきた奴らに立ち向かい、カートで坂を下るシーン、中指の立て方かっこよかった。

お菓子をいろんな組み合わせで食べさせて効果があるか試すっていうのめちゃくちゃいい。いろんな葉っぱをお茶にして飲んだり。毒草だったりもしたけど。
ある日エイズ治療薬開発のニュースを知り、ふたりはイカダでミシシッピ川を下る計画を立てる。ママをハッピーにさせるのは、新しい治療薬で元気になること。デクスターは決意する。

ニューオーリンズまでは約2000キロ。イカダの時速は5キロ。日焼け止め(サンオイル?)背中に塗ってってところ、少年らしさが出てたな。

「怖くなるんだ。僕は宇宙にいてもう戻れないような気が…」

「それを抱いて寝ろよ。目が覚めて怖くなったらこう思うんだ。”これはエリックの靴 僕はこんな臭いスニーカーを抱いてる 宇宙であるはずがない ここは地球でエリックはすぐそばにいる”」

「いい考えだ」

「いいかい?歴史を読むとひどい病人が突然元気になった話が幾つもある 人はそれを”奇跡”と呼んでる 私には分かる 君は特別な子だ 奇跡が起こるかもだ 私を信じるかい?」

冗談で死んだふりをして遊んでいたら3度目には本当に息を引き取ってしまったデクスター。
テントでエリックの靴を差し出すシーンや自らの手を切って血を見せ追い払うデクスターのシーンは素敵だったし、デクスターの病気を治したい一心でいろんなことを試すエリックの姿も健気で真っ直ぐでそれでいて無邪気。

エリックの母親はエイズへの偏見やエリックの心やさしい側面を知らないなど盲目性としてうまく機能していた。あたたかい医師の存在もいて、希望を失わず強く、明るい未来を信じたいと思わせてくれる映画だった。あの子に手をあげたら殺すわよというシーンはグッときた。

最後エリックの靴を抱かせ、エリックはデクスターの靴を川に流す。いつか、治療薬へとつながるように…。ラストをここまで綺麗に描いてくれたのは感動。