ピンクマン

マイ・フレンド・フォーエバーのピンクマンのレビュー・感想・評価

4.8
この映画は、HIV患者の辛い人生を訴えた作品ではなく、むしろその少年が母に愛され、かけがえのない友人と出会い、その短くも充実した子供時代を、どんなに楽しく、どんなに幸せに過ごしたか…という作品であり、愛に包まれた日々が、不治の病の裏側で、いっそう強調されている。なので決して暗く悲しい仕上がりではなく、全体を通して、活き活きとした少年たちの明るさが伝わってくる。そんな中で、はっと垣間見る母親の苦悩と強さには、胸を刺される思いがする。ラストは泣かずにはいられない。
お昼寝の時間も忘れさせてしまうほど、息子の日常に光をもたらすその少年の頭にキスをする母親。感染病を患う息子に、こんなにもたくさんの幸せを毎日運んでくれた、神から授かったような、この少年を…という母親の痛い程の思い、それを秘めながら笑顔を作ってみせるシーンには、後から思い出しても涙が出る。
ヒューマンドラマの傑作。
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