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去り行く男のkouのレビュー・感想・評価

去り行く男(1955年製作の映画)
4.0
人間の嫉妬や欲望、そこから生まれる衝突を描くのがとても上手く、銃撃戦も派手なアクションも無いが素晴らしい作品だった。シーンの持つ壮大さも見事で、こういう作品がやはり好きだなと思わせる西部劇だった。

シェイクスピアのオセロを元にしているという物語は、男同士の嫉妬、そして女性の望まない結婚とそこからの不倫願望を描く。やはりドロドロとした雰囲気が大きく、そこに巻き込まれていく主人公という形。

鍵となるのは主人公の生い立ちであると思う。母親に恨まれるようにし、父親を尊敬する男。彼が再び父と同じように尊敬できる存在を見つけた時、彼と女性を巡って衝突するのだ。また、女性を物として、扱う男の行動を非難するような場面もあり、当時としては視点の鋭さのある作品とも言えると思う。
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