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エル・スールのkouのレビュー・感想・評価

エル・スール(1982年製作の映画)
3.5
少女の目から見た世界。どこか陰鬱とした雰囲気を持ち、心の中に後悔を常に抱えているような父親。そんな父親と少女の関わりについて描いている。どこか温かみのあるシーンもあり、ミツバチ…よりも柔らかな印象を受けた。

冒頭のシーンが素晴らしく、朝焼けと共にある事件が起こる。そこから全てを悟る主人公。繰り返されるベッドの描写は見事だった。あとは並木道。繰り返される風景に時の流れを感じさせる。

エルスールとは南のことを指し、父親の故郷である。その南を目指す所で今作は終わる。本来ならそこから繋げるつもりだったという作品は、描かれないからこそ味わいを増しているようでもある。
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