Ash国立ホラー大学院卒論執筆

華氏451のAsh国立ホラー大学院卒論執筆のレビュー・感想・評価

華氏451(1966年製作の映画)
3.4
【文化大革命】

"華氏451度は本に火がついて燃え出す温度だ"

舞台は、情報が全てテレビやラジオによる画像や音声などの感覚的なものばかりの社会。そこでは本の所持が禁止されており、発見された場合はただちに「ファイアマン」と呼ばれる機関が出動して焼却し、所有者は逮捕されることになっていた…

テレビやラジオが体制のプロパガンダとして使うのに容易であり、本はそれらのレジスタンスとなることを示している社会風刺SF。アメリカのSF小説家レイ・ブラッドベリ原作。(彼の代表作『火星年代記』も本作に登場する)

バラエティ番組ばかり観ている人間に観せるのに最適な映画かも知れない。主人公の考えの変化や、上司の共産党的な語り口、お馬鹿な主婦たちと主人公の対比など、テレビっ子を小馬鹿にする演出に溢れている痛快な作品。


「彼らが守っているのは世界で最も貴重な秘密。人類の知識を保持している」