玉子とじ

コレクターの玉子とじのネタバレレビュー・内容・結末

コレクター(1965年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます



監禁ものとしてかなりクオリティ高いんじゃないでしょうか。基礎って感じ。お手本、教科書みたいです。
ともすれば仲良くなれそうなのに絶望的に仲良くなれない感じが良い。被害者を丁寧に扱いはするんだけど話が通じなくてそれが一層絶望感を高めて良い。人質を奴隷みたいな扱いをしたり危害を加えたりはしません。お風呂に入れたりドレスを着せたりディナーを用意します。扱いが丁寧。+30点
誘拐犯は自分の価値観、物差しが一番だと思い他者を理解、歩み寄ろうとせず思い込み激しく被害妄想。孤立してて不器用。自分勝手。
でも人質のためにドアを開けたり、椅子を引いたりするんです。そのアンバランスさが不気味かつ、話が通じるんじゃ?と思わせる…けどやっぱり社会規範に照らすと、常軌を逸した行動なわけです。
犯人の冷たい目が良いなあ…。マジでイッちゃってる感じがして。あとわりと心身ともに二人の攻防戦が見られるのが良いです。
サイコスリラーでありながら極度の純愛ものにも錯覚するような…これは犯人がイケメンで基本的に物腰柔らかいのが原因。
彼女が描いた彼女の肖像画、額縁に入れて飾ってるの狂ってるけどかわいいね。でも壊しちゃうんだね。
ていうかそこまでいったら殴れ!ちゃんと殴れ!って思ってたら失敗した…ああ〜 女性の意思が今ひとつ弱いんだよなあ…じれったい…!
終盤は本当に弱ってるのか演技なのか分からなくてドキドキします。
最後が無ければ本当にわりと狂気的な純愛ものとして終われるんだけどな〜。あれはサイテー。ミランダじゃなくて、あくまで蒐集をすることが第一だったわけです。それを証明しちゃったわけですね。あそこは純愛貫いて後追い自殺とかしてほしかった。
完全にイかれてるより、所々話が通じて所々やっぱりどうしても噛み合わない、みたいなのの味わい深さもあるんだなあ…と勉強になりました。
玉子とじ

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