肝心の『家』を観ていないのでなんとも言い難いのだが、あまりに象徴的な一軒の「家」を通してパレスチナとイスラエルを巡る歴史と関係性が紐解かれていく。その時代にはその時代なりの苦悩と苦難とがあり、抵抗の時代を経て今の大惨劇を迎えている事を鑑みるとますます何も言えない。とりあえずこれと言いこの前といい、場内の治安がクソ過ぎて心底絶望した。

アテフラのアモス・ギタイ特集にて。

これはそこそこだった記憶。

ギタイが「家」（80）で訪れ、撮影した場所に再訪、家の住人が変わることがエルサレム、イスラエル社会を象徴しているのだ。この家は、48年以前はパレスチナ人の医者が所有、その後の戦争で医者は避難、イスラエル政府がアルジェリア系ユダヤ人夫婦を住まわせた。そして「家」を撮影したころは、裕福なイスラエル人が住み、マンションにしようと、難民キャンプから労働者を連れてきて働かせた。それから20年。そこに暮らすひとへにインタビューをとおし、イスラエルの現在（98年）を炙り出す。