ラグナロクの足音

スキャナー・ダークリーのラグナロクの足音のレビュー・感想・評価

スキャナー・ダークリー(2006年製作の映画)
3.3
この映像表現は斬新だけど見てて酔うわー。アメリカ西海岸、現在から7年後の世界。体から青々とした虫が出てくるのを男が振り落としていきます、男の名はフレック。フレックは知人のバリスに連絡し、虫を瓶に詰めて持って行くことに。しかし瓶の中から虫は忽然と姿を消してしまいます。バリスによると彼は物質Dというドラッグの幻覚を見ていたようです。一方麻薬捜査官のフレッドはスクランブル・スーツという特殊な服を着て講演会を行った後、上司のハンクの元を訪れ、自分がなりすましている「ボブ・アークター」の監視を強化すると伝えられる。着ている人物の人となりが分からなくなるように作られたスクランブル・スーツによって、麻薬捜査官フレッドの人相がわからないため、彼は不安を覚えながらも帰路につきます。その後彼のボブとしての友人バリスが捜査局に密告に来ますが、取り合いません。ボブはバリスとラックマンというジャンキー達と一緒に住んでおり、時折ドナという女性ともつるんでいました。ある日バリスが誤射した銃声に過去の幻覚を見てしまいます。フレッドには妻がおり、娘が二人いました。退屈な毎日から脱出するために捜査官になりましが、彼はすでにDの影響で脳に支障が出ていました。幻覚に苦しんでいたフレックはついに自殺を決意していました。高級ワインと大量の睡眠薬を頼りに静かに死ぬつもりでしたが、睡眠薬は偽物で再び幻覚を見ることになりました。バリスがフレッドとドナがテロ組織やディーラーと繋がっていると密告し、虚偽の証拠を提出したとして逮捕されます。その後、脳に壊滅的なダメージを負っていると診断されたフレッドは、ハンクによってついに更正施設「ニュー・パス」へと収容されます。ところがハンクの正体は彼が惹かれていた女性ドナ。体を震わせながら吐瀉する彼に、ドナは別れを告げました。彼の収容先にはフレックもいました。フレッドは農園に配属されることになりました。人里離れ山しかない農園で、新しくブルースと名乗るようになったフレッドはトウモロコシなどを育てることになりました。ハンクを装っていたドナは、フレッドが収容されたニュー・パスの秘密を暴くため彼に手荒なまねをしたことを後悔していました。フレッドの働くトウモロコシ畑の足下には青い花がいくつも咲き誇っています。彼の人生を破壊した物質Dの原料になる青い花が。
ラグナロクの足音

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