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おかえりのamのレビュー・感想・評価

おかえり(1996年製作の映画)
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統合失調症を患った妻と、戸惑いつつも懸命に支えようとする夫の夫婦愛。

妻の様子がなんだかおかしい。行き先も理由も告げずに外出を繰り返すことを不審に思い問い詰めてみると、「見回りをしなきゃいけないの。」
ここから統合失調症の典型とも言える「組織に見張られてる」系の説明を淡々とし始める妻の様子に背筋が寒くなる。
一番近くにいて一番分かり合えていたはずの家族が、突然異質なものになってしまった時のあの感覚。自分にも経験があるので冷静に見れなかった。

マンションの廊下に近所の家のベビーカーが置いてあって、明言はされてないけど子どもを授かれない事も妻のプレッシャーになっていたのかな、と推測した

寺島進はコワモテのヤクザのイメージが強くて、『殺し屋イチ』で煮えたぎった油をぶっかけられてギャーギャー言ってたシーンとかが真っ先に頭に浮かぶけど、こんなに包み込むような暖かい演技をする役者さんなんだな。妻の涙をタオルで拭いながら宥める場面が美しかった。
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