堊

がんばっていきまっしょいの堊のレビュー・感想・評価

がんばっていきまっしょい(1998年製作の映画)
4.6
「目隠しして水音を聞け」ってシーンがあるけど、そのシーンで観客にも水音を聞かせようとしてる。合宿先の朝の鳥の声、寝る前の虫の音、部室に打ち寄せる波の音。途中で流れる出来損ないのコーネリアスみたい挿入歌もよかった。
主人公の父親がクリーニング屋(毎日毎日キレイにし続けるがそれは繰り返しでしかない)であることの残酷さと、虚しさを語るワンショットが凄まじい。のちの『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』などの矢口史靖作品とちがって勝利することの虚無感も同時に描かれている。

主人公のやる気の出し方に『オネアミス』を思い出した。なんでもない人がなんでもなくなっていく映画は好きよ。。。


「この境内いっぱいに明かりが灯るんよ
どうでもええか、そんなこと
なんかつまらんなぁ」
堊