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レッド・オクトーバーを追え!のswansongのレビュー・感想・評価

4.1

コネリー師匠、 危ないッスよ!

「アウトランド」では密閉された宇宙基地の中で、 そして今回は潜航中の原潜の、 なんと原子炉のまん前で…
ところかまわず拳銃ふりまわすの、 やめてくださいよ。(笑)

そして全編を貫く「ヒーハー!アメリカ万歳! アメリカ最高!」なテイストは、 観てて頭が痛くなるレベルに達してますね。

公開当時はさほど気にならなかったけど、 いま観るとそういうところにツッコミを入れずにはいられません。

肝心の原潜vs.原潜の水中戦も、 この中途半端な視覚効果(失礼!)で充分に描ききれてるとは言いがたいし。
ここは魚雷一本に至るまでしっかり作り込んでほしかったな~。


でも、 そういう不満の数々を差し引いても、 この映画は凄く面白い!

画面に登場したとたんに映画全体がビシッと引き締まる、 ショーン・コネリーの圧倒的な存在感。

コネリー艦長の相方を務めるサム・ニールや、 もう一人の名艦長スコット・グレン、 主人公ジャック・ライアンの上司役のジェームズ・アール・ジョーンズ (ベイダー卿)ら、 助演の皆さんもグッジョブ!

終盤、 コネリー師匠とスコット・グレン艦長が、 だんだんカーク&ピカードに見えてきましたよ。(笑)

一介のデスクワーカーにすぎないジャック・ライアンの状況分析に耳を傾け、 「君が現場へ飛べ」と背中を押すCIA幹部が、 「タイタニックを引き揚げろ」で敏腕エージェント=ダーク・ピットを演じたリチャード・ジョーダン!っていうキャスティングも洒落てますね。

ちなみにトム・クランシーによる原作小説には、 旧ソ連の国民的英雄であったコネリー艦長が亡命を決意するまでの過程もじっくりと描かれており、 映画とはひと味違う趣があります。

クランシーの小説って尺が長すぎるのが厄介なんですが、 これは最後の1ページまでグイグイひっぱられました。

映画観賞後のご一読をお勧めします。
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