悪魔の毒々クチビル

ドゥームズデイの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

ドゥームズデイ(2008年製作の映画)
4.2
殺せ!喰え!力で奪え!ヒャッハー!!


人類を突如襲った殺人ウイルス。治療法を求め特殊部隊がかつてパンデミックにより隔離されたスコットランドに再び足を踏み入れるも……なお話。


「ディセント」なんかでお馴染みニール・マーシャル監督作品。
近未来が舞台ながら、ハイテク味が感じられるのは主人公のカメラ付き義眼くらいでスコットランドに着いてからは、そこで生存していた人々がヒャッハーな世紀末ルックスや中世の甲冑なんかを身に付けた時代錯誤集団が対立している滅茶苦茶な世界観が待っています。
と言うかあの義眼、毎回地面に直置きしたのをそのまま目に嵌め込んでいたけど衛生面は大丈夫なのかしら。

まぁ基本的には「まんまあの映画やんけ!」な既視感満載のストーリーですがね、元ネタの良いところを無理矢理かき集めた作風に加え、尚且つニール・マーシャル監督お得意のゴアも大量にあるということで非常に見応えのある楽しい作品でしたよ。
特にゴアシーンに関してはかなり満足度が高くて、あちこちで人体が飛散するだけでなくウイルスでグチャドロになった姿やヒャッハー集団にレアで焼かれて貪られる様等、バリエーションも豊富で大変よろしかったです。

登場人物も主要キャラと脇役の存在感に差がありすぎて、逆に清々しかったです。
あの部隊で最初に殺られた人、初見だと誰だったかよく分からなかったもんな。でも軍曹は活躍度含め良いキャラでした。
ローナさん演じる主人公のシンクレアも格好良かったんだけど、やっぱヒャッハー集団のリーダー、ソルが一番印象的でした。死に様も最高にアホで笑っちゃった。彼女のビジュアルも凄い。律儀に首だけ持って行ってシンクレアたちを追跡するソルの深い愛情に涙しました。嘘です。

マルコム・マクダウェルが牛耳る中世グループではこじんまりとしたグラディエーターチックなバトルから、終盤のソル軍団とのカーチェイスと言いとにかく派手な要素を物語の統一性とか考えずにぶちこんだお祭り映画になったのもやはり莫大な予算があったからなのでしょうか。
ラストも格好良さ重視で、結局作戦が万事上手く行ったのかどうかよく分からない曖昧っぷりとか大振りな部分は確かに多かったですね。

それでも個人的には良かったんだけど、予算の割にはヒットしなかったのか主演のローナ・ミトラと言いニール・マーシャルと言い、あまり活躍を聞かなくなったような気が。
監督はリブート版「ヘルボーイ」もズッコケさせちゃったし。あ、こっちも俺は好きでした。
「ディセント」も高校生の頃友人と観て地底人登場シーンでめっちゃビビった思い出深い(?)作品ですし、結構好きな監督なんですけどね。