セガール幹事長代理

ノートルダムの鐘のセガール幹事長代理のレビュー・感想・評価

ノートルダムの鐘(1996年製作の映画)
4.5
孫ぐらいの年の女に惚れた憐れなお爺ちゃんが影の主人公。

映画でも小説でもそうだけど、異性と別れる時に「幸せになってね」っていう人間は石原良純の天気予報より信用できません。
あんなものは臭いものに蓋理論以外の何物でもなく、相手からの重い依存が自分への出刃包丁に変化するのを避ける為にそれっぽくまとめた気になってるだけの、これ以上無いほど乱暴な『幸せ』という日本語の使い方です。

そんな昨今の若者の軽薄さに対し、本作の悪役フロロー判事は好きな女にフラれて、自分が幸せになれないぐらいなら街ごと焼き尽くしてしまえというイスラム国バリにやんちゃな行動に出ます。
オキニのキャバ嬢がなかなかアフターしてくれないばかりか、実はボーイと付き合ってたのを知って店と女のマンションに火を放ちたいと感じた経験がある人だったらきっと彼に共感できるはずです。
俺も黒ギャル好きだしよく分かります。

早まって火事起こす前に俺に一言いってくれたら、土間土間あたりで話聞くのにって思いました。
上書き保存できるのは女だけじゃないんだよって優しく言ってあげたいですね。
肩にコートをそっとかけてあげたいですね。

あとオープニング曲の歌詞にある"Who is the monster and who is the man?" は壮大な伏線だって大人になって気付きました。