ゲストE

ノートルダムの鐘のゲストEのレビュー・感想・評価

ノートルダムの鐘(1996年製作の映画)
2.0
画面の動きがダイナミックでアニメーションはとてもかっこいいです。被写体の距離とカメラの位置関係が伝わる視点移動時のレイヤー感と、キャッチーな歌曲は感動しました。

しかし個人的には、主人公のディズニー界で最も稀有である点の「醜い」というポイントが、なぜ必要なのか全くわかりませんでした。

このストーリーとメッセージを構築するために、出生だけでなく容姿が一般市民からは受け入れ難いという設定が本当に必要なのか、映画を観終えて何度も自分なりに組み立て直してみましたが、ノートルダムの屋根裏に監禁される経緯も、閣下がジプシーに心底嫌悪感を抱いている方向だけで、ジプシーの子を普通に生かしておく気にはなれない辻褄が合いますし、主人公が抱く劣等感も好きな人と両想いになれないことも、どちらもイケメンですら直面し得る問題であって、その本作の特徴的な設定にあまり納得ができませんでした。

例えば、ジプシーの母親すらも容姿を忌み嫌い育児放棄、または本編1時間半ほどを通して石像以外はひとりも自分に心を開かないなど、エンディングまで相当キツいストーリーを用意するならなんとなくその設定の必要性を理解できるのかなと思いますが、そもそもそんな子どもと若者に厳しいディズニーは観たくないです。

ただプロット自体は面白く、アニメーションも歌曲も前述の通り感動するので、ディズニー好きなら一度は見たほうがいいと思います。
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