手持ちのDVDboxからの3度目ぐらいの鑑賞。
真っ暗な寝室から徐々に光が差し込んで行く冒頭のシーンから、これは傑作だと確信出来る始まりだった。同じように始まるエリセの「エル・スール」を想起した。
役者のオーディションからいきなり映画内映画が始まる展開、象徴的に室内には置かれた鏡で間接的に語る展開、詩情溢れる山の村での映像美など、感服させられた。
浮桟橋からロープを外し、港から少しずつ離れて行くラストシーンも溝口の山椒大夫辺りをイメージしてしまう素晴らしい映像だった。
しかしあれ、沖の方から引っ張ったのか、どうやって撮影したのかな⁉︎
息子・映画監督のアレキサンドロスの役者が実に良かったなと観終わってケースを見たら、ジュリオ・ブロージとの記載。そう!ベルトルッチの「暗殺のオペラ」のサファリジャケットが似合ってた主役の方だった。いい役者を配役してくれて、観終わった後も余韻に浸れました。