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駅前旅館のyasuyukiのレビュー・感想・評価

駅前旅館(1958年製作の映画)
4.7
何だかクールでとってもかっこいい。「喜劇」前夜の「文芸喜劇」、駅前シリーズ第1作目。

お馴染みの三人組、伴淳三郎のすっとぼけた会話の妙や、フランキー堺によるエルビス顔負け?のロカビリー・ショウも最高なのだけれど、やはり何と言っても森繁久弥のバリバリの色気が凄いことになっております。淡島千景と淡路恵子の美しさは言わずもがな。

「学術的に心理学的にサイコロジカルに言うと、恋心」なやりとりも、柔らかい耳たぶと苦手なラッキョだけでロマンスを成立させてしまう演出も素敵すぎるし、フレーム内に溢れかえる狂騒的な雰囲気、うっすらと漂う犯罪の香り、「ウィークエンド」ばりの交通渋滞と鳴り響くクラクション音に馬車。駅前で炸裂する「芸」の数々。シリーズでも特に好きな豊田四郎監督作品。
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