高橋早苗

チェンジリングの高橋早苗のレビュー・感想・評価

チェンジリング(2008年製作の映画)
3.3
休日の朝に鳴る電話
欠勤者が出て人手が足りないから
出て欲しいという

断れずに
息子を自宅に残して出かける母親

夕方、急いで帰宅した時
息子の姿はなかった


警察へ電話をすると
『24時間は捜索しません』と冷たい返事
“翌朝には見つかるから”
という理由を告げられ 電話は切られた

しかし何ヶ月経っても
戻ってくることはなかった


5ヶ月後
職場へやってきた警部は
息子の無事を告げる

列車で移送される 我が子との対面に
駅は 記者たちで溢れかえる

待ちきれず駆け出す母親の前に
降り立ったのは
見覚えのない子供・・・

「違う」と指摘すると
「あなたが動揺してるだけだ」
と答える警部
5ヶ月は長い
子供は成長が早い
などと説き伏せられ
カメラの前に立たされる


フラッシュの波
本当に動揺してるだけかもしれない・・・
腑に落ちぬまま連れ帰った“息子”を
柱の前に立たせると
5ヶ月前に測った印よりも
ずっと低い背丈・・・

我が子とは 別人だと確信した母親は
再捜索を願い出るが 警察はとりあわず
逆に育児放棄を指摘される


 息子を取り戻したい


というシンプルな想い
それが、周りを巻き込み
警察との闘いへ雪崩こんでいく様は
彼女の意思の強さだけでは立ちゆかない歯がゆさ

そして長い闘いの果てに見えてきた真実は
辛い

なぜ
という思いがグルグル回る

 『やっと、確かなものを見つけました』

何かと問われ
『希望(Hope)』

と答えた母の顔は
輝いていた。
高橋早苗

高橋早苗